下記の事項をその都度、詳細に記録(写し)して保存しておいてください。
1.回収が滞っている債権とその発生年月日
2.回収が滞っている経緯、原因
3.債務者の情報(所在、資力、資金繰り、財務内容等)
・直近5期の決算書(入手できるならば)
・履歴事項証明書(法人の商業登記簿)、不動産の登記簿謄本、興信所の調査書等
・破産手続開始を申立てた旨の書類、裁判所の破産手続開始決定の書類
・債権者集会の協議事項、決定事項の書類等
・必ず現地(会社、自宅)に行ってみる(昼・夜・休日)
・近隣住民への聴取
・同業者ヘの聴取等
4.督促(回収努力)の履歴
督促状、電話、内容証明郵便等
貸倒損失は、回収不能が明らかになった事業年度において計上することが求められ(この時期判断が難しい)、その前でも、その後でも損金算入できません。
「貸倒損失を計上すると、決算書の数字(損益)が悪くなるから、今期は売掛金として残しておいて、利益が出た時おとす。」は利益操作とみなされ、税法上損金算入できません。なお、損金経理要件が付されていない貸倒れ(法律上の貸倒れ)については、法定申告期限から5年以内であれば、更正の請求ができますが、損金経理要件が付されている貸倒れ(事実上の貸倒れ、形式上の貸倒れ)については更正の請求はできません。
尚、売掛金債権(継続的取引に限る)については、支払督促をしても弁済がなく、取引停止(または最後弁済時)後1年以上経過すれば1円の備忘価額を残して貸倒損失に計上できます。また、取立費用の方が売掛債権(継続的取引に限らない)より高額になる場合も1円の備忘価額を残して貸倒損失に計上できます。
手遅れにならないよう、決算時ではなく、その都度ご相談ください。